帰国子女高校入試

帰国子女高校入試

 

無理をしてでも受験しなければならない場合も

 日本の高等学校は義務教育ではなく、また、633と固定化した制度であるため、途中から入学することが難しくなっています。まったくできないわけではありませんが、限られた学校しか受け入れないので、不本意な学校選択になりがちです。納得のいく高校生活のためには、高校受験で帰国するか、大学受験まで海外に残るか、はっきりと決断する必要があります。

 

高校受験のメリット

 中学受験・高校受験・大学受験と3者を比較したとき、高校受験は帰国生のための配慮がもっとも少ない受験です。いくつかの学校を除いて、日本の受験生たちと同じ、3科目・5科目の筆記試験で合格を勝ち取らなくてはなりません。

 では、高校受験で帰国することは、デメリットしかないのでしょうか? 私どもは、そうは考えません。高校の3年間は、人格形成の上で非常に大きな意味を持ちます。日本の社会に適応する上で、高校生活を日本で送るか、海外で送るかは重大な違いをもたらします。私どもの卒業生をみても、海外での経験を活かしながら、日本の社会で活躍している人材は、高校受験で帰った人たちに多いように感じます。

 

難関校ほど入りやすい

 日本の高校は公立・私立を問わず、難関校は実力勝負、中堅校は内申をもとにした事前相談の影響が大きい、という傾向があります。海外からの受験となると、事前相談の恩恵が受けられないので、どうしても中堅校の受験は難しいものになります。それに対して国立・早慶などの難関校は、筆記試験の実力勝負である上に、帰国子女のための優遇措置がありますから、帰国子女が受験するメリットは大きくなります。都立進学重点校も、帰国子女に対する優遇措置こそありませんが、毎年多くのena海外校の出身者が合格しています。逆説的な言い方になりますが、帰国子女にとって、難関校ほど入りやすいのです。

 

3科試験でない学校は、クセのある学校

 国際基督教大高や早大本庄、青山学院、中大杉並、同志社国際など、3科試験ではない特別な試験を実施している学校は、それぞれ独特の評価基準を持っています。それを知った上で対策を立てないと、合格はおぼつきません。彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし。自分の実力を鍛え、的確な情報で判断することが肝要なのです。

 

長期的な準備計画を

 ena出身の受験生は、当たり前のように難関校を受験していきます。海外にいるために、早い段階から受験を意識して準備せざるをえず、日本の中学生よりも長期に渡って、努力を重ねた結果と言えるでしょう。逆に言えば、長い期間の努力を重ねていけば、大きな目標も達成できるということです。

 

 

 

 では、帰国子女高校入試について、受け入れ校や選抜方法等、詳しい内容を見てみましょう。

 

帰国生の受け入れ校

 どのような学校が「帰国枠」を設けているか、いくつかの例をみていきましょう。

(1) 海外留学生や帰国生と学習することを目的としている学校

 いわゆる「国際化」に対応するため、海外留学生や帰国生が多数いる学校の中で…続きを読む

 

帰国生入試選抜方法

 上述のように、基本的には…続きを読む

 

面接試験について

 中学受験、高校受験における帰国枠入試には必ずと言っていいほど面接試験があります。保護者に対しては…続きを読む

 

受験アドバイス

 【受験資格の確認】

9年間の課程を修了していない場合、…続きを読む

 

直前講習担当者から見た今年の帰国枠入試

 最後に、ena渋谷で開催された「帰国生入試直前講習会」で、実際に受験生を指導した講師からの、各校入試の印象を記しておきます。

 

【桐蔭学園高等学校(書類選考)】

  10月に行われる書類選考が…続きを読む

 

【渋谷教育学園幕張高等学校(試験科目は英語)】

  1月に試験があると、「滑り止め」的な感覚と思ってしまいます。ところが、この学校の英語は日本で最も難しい問題が出題されます。英検2級の子が1年かけてこの学校を目指すのであれば、英語受験は諦めて2月の3教科受験を選んだ方が得策でしょう。それほど難しい英語の問題なのです。

 

【国際基督教大学高等学校(ICU)】

  基本的に、現地校…続きを読む

 

【青山学院高等部】

  60分で3教科の試験を行うスタイルは変わらず。今年もマークシートの塗りつぶしのズレ、時間配分のミスによる悲劇がありました。グループ面接もかなり独特で、住んでいた国の言語での自己紹介や、生徒同士での英語でのフリートークがあったりします。一言で言うと、「英語が堪能・早慶を目指して日々勉強している・明るい子」は合格します。

 

早稲田大学本庄高等学院(I選抜)

  直前講習に参加した生徒だけでも8人が合格…続きを読む

 

【慶應義塾湘南藤沢高等部(SFC)】

  英語圏での海外歴が長い子にとっての人気校。試験科目は…続きを読む

 

早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田実業学校高等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾志木高等学校、慶應義塾女子高等学校

  2月の早慶の受験は…続きを読む

 

東京学芸大学附属高等学校

  問題傾向として大きく変わったことは、…続きを読む

 

都立高等学校(自校作成)

  レベル的には…続きを読む

 

【立命館宇治高等学校(11月)・同志社国際高等学校(12月)】

  日本、アメリカ、イギリス、シンガポール、…続きを読む

 

【1月以降】

  大学附属校を志望する子は、…続きを読む

 

【総括として】

 早慶の敷居が低くなったような気がします。実際の話として、受験生としての自覚を持ち、enaの授業で課題に真摯に取り組み、きちんと宿題をこなし、日程的に受験可能な早慶を全て受験した場合、必ずどこかは合格すると言っても過言ではないかもしれません。推薦入試まで考えると、本当に入りやすくなりました。

 直前講習担当者としては、今後の受験生がどのような道を選ぶのかが非常に楽しみになります。これまでは、どちらかというと海外校舎からの受験生は早慶至上主義的なものがありました。ここ数年で、様々な要因からご家庭の価値観が変わりつつあり、例えば都立、国立、私立進学校(桐朋、巣鴨、桐蔭、市川、渋幕、開成など)を以前より積極的に受験する流れになりつつあります。この流れがどうなっていくのかが、受験指導者としては大変興味があります。

 附属校を受験する受験生のみなさん。『入学後に、何をしたいか』を、是非考えてください。早慶に入学するために入学するのではありません。大切なのは入学後、人間的にどれだけ成長できるかです。

 進学校を受験する受験するみなさん。大学入試をする覚悟がある程度できていると思います。人によっては、早慶高校を蹴るわけですから、国立大学、もっと言ってしまえば東京大学、京都大学のような学校を目指すのだと思います。険しい道のりではありますが、頑張って欲しいと思います。

高校入試は、今後の君達の未来の一つの「分岐点」であるわけです。

 

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