帰国子女中学入試

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チャンスをつかむ入試<帰国子女中学入試>
海外在住の小学生にとって、中学受験は一般的なものではありません。中学受験が盛んな地域が限られていますし、帰国子女のための特別枠が設けられる学校となりますと、さらに少数となります。しかし、もしそのタイミングで、その地域に帰るのならば、大きなチャンスを与えられることになります。首都圏にお住まいであったなら、いわゆる難関中学に合格するのに、どれほどの努力が必要であるか、充分にご承知のことと存じます。その難関校の中には、海外から帰ってきた子どもたちを、他の受験生とは別枠で受け入れてくれる学校があるのです。その貴重な機会を逃す手はありません。
帰国枠中学入試の受験資格
帰国枠で受験する場合には、各中学校で定められた受験資格を満たす必要があります。東京都の私立中学校の場合、その資格は、1年以上海外に滞在し、帰国後3年以内の者 【こちらを参照】としています。ただし、学校によりますので、各校へご確認ください。
資格を満たさない場合には帰国枠での受験は基本的にできませんが、ある程度柔軟性をもって対応してくださる学校もありますので、各中学校の担当の先生に直接お問い合わせすることをお薦めいたします。
英語圏に住んでいたなら-一生の財産「実用英語」を入試にも
多くの私立中学校では、英語のできる受験生を望んでいます。英語の授業のレベルを上げてくれるから、大学受験で成果を挙げやすいから、などいろいろな理由がありますが、英語の実力を積極的に評価しようとしていることには変わりありません。そしてそれは、社会の要請でもあります。実用の英語を身につける機会は、誰にでも与えられるものではありません。一生の財産となる英語力を手に入れ、それを入試にも活用していく。そのチャンスをつかむかどうかは、あなた次第です。
【英語のみ又はほぼ英語のみで受験できる首都圏の中学校の例】
:かえつ有明Honors/Advanced、三田国際IC、サレジアン国際赤羽/世田谷、山脇Essay、大妻中野、頌栄女子学院、攻玉社、渋谷幕張
【英語を含めた受験ができる首都圏の中学校の例】
:慶應義塾湘南藤沢、渋谷学園渋谷、成蹊、聖光学院、学習院女子、白百合学園、芝国際、開智日本橋、学芸大国際、青稜、暁星、東京女学館、頌栄女子学院、市川、東邦大東邦、文化学園大学杉並、広尾小石川AG、広尾AG、都市大付属、海城B
【英語資格が受験で有利になる首都圏の中学校の例】
:芝国際、三田国際ISC、サレジアン国際赤羽/世田谷、広尾AG、広尾小石川AG、共立女子、東京女学館、文化学園大学杉並
もちろん甘いものではありません-受験で求められる「英語力」
英語圏から帰国すれば、誰でも歓迎されるわけではありません。受験生の中でも競争がありますし、中学が求めている「英語力」と、受験生やそのご父母の方が考えてらっしゃる「英語力」との間に隔たりがあることもあります。漫然と現地校で時を過ごしても、社会の要請する「英語力」は得られません。
英語を重視する学校の英語の問題は、「中学入試」でイメージされるレベルからは隔絶している問題も多く、大学入試以上の能力が要求される場合があります。どのような実力が必要とされ、それを身につけるためには何をしたらよいのか。それを的確に示す水先案内人が求められるゆえんです。
英語圏以外から帰国した方にも-海外ならではの「自由さ」
中学校が優遇してくれる「帰国子女」は、英語圏からの生徒に限りません。ある意味で日本の受験システムの外で、のびのびと育った子どもたちが期待されています。といっても、本当に「のびのび」と育ってしまっては、中学に入ってから学力差に悩むことになります。受験勉強で「鍛えられた」同級生と一緒に勉強していくには、同等のレベルである必要はないまでも、その内容に通じている必要はあるでしょう。
十二歳の少年少女に課すには過酷な受験競争に巻き込まれておらず、それでもしっかりと思考力や努力する力を身につけている子どもたち。そのような子どもたちの力になる、というのが、私たちの願いです。
【帰国枠を設けている学校で、英語が試験科目にない/外すことができる首都圏の学校の例】
:海城(A方式)、立教池袋、学習院、かえつ有明Regular、山脇Ⅰ期、広尾SG/本科/医サイ、広尾小石川SG/本科、共立女子、大妻中野、東京女学館、青稜、都市大等々力、都市大付属、攻玉社、学習院女子、都立白鷗、都立立川国際
帰国子女中学受験入試日程-帰国枠入試は11月下旬から
東京都や神奈川県の中学一般入試の解禁日は、2月1日ですが、帰国枠入試は11月下旬から開始されます。1月31日以前に入試を行っている中学校は、海外・帰国生独自の入試を一般入試と切り離して実施していて、帰国生を積極的に受け入れようとしている学校の多くは、これにあてはまります。2月1日以降の一般入試と同じ日に実施する学校は、一般入試と同じ問題で多少の優遇措置を設定しているだけなので、一般枠に準じた難易度となります。それらの入試日程をうまく調整すれば、幅広く受験校を選択することができます。
直前講習担当が感じている帰国枠中学入試というもの
こと帰国枠中学受験に関しては、多角的に合否を判定しているということを、今一度考えなおしてみましょう。英語ができるということは、どういうことでしょうか? 日本の学校に進学する上で、英語が抜群であるとは、いったいどういうことなのでしょうか。海外に何年も滞在しているのに、海外生活を否定している生徒を受け入れたいと考える学校は、どれほどあるのでしょうか。
学校が求める生徒像。これこそ学校案内などで、しっかりつかみたいことのひとつです。その視点から、帰国枠出願資格をしっかり読み直してみましょう。この学校は、海外からの受験生に何を期待しているのか。それが把握できれば、受験対策は見えてきます。
良いパターンは、現地校に通いながら楽しく日本の勉強をするというものです。どちらもが苦痛・苦行になってしまわないように、周りの大人が様々なことを考えなければなりません。日本にいたら、中学受験は任意のものであるはずです。公立中学に対して、満たされぬものがあるからこそ、満たしてくれる学校を受験するはずです。そこに帰国子女特別入試というものが絡みます。受験資格や特異な入試科目。それらを十分に研究した上で、受験は決定されるべきではないかと思います。もし帰国のタイミングが合わなければ、高校受験が可能なのかどうか。そういうことも含めて、まず必要なのが「我が家の進路設計」ということになります。高校受験における帰国子女優遇措置は、大学受験に比べるとメリットは少ないですが。ただ、当然ではありますが、海外滞在期間が長くなれば長くなるほど日本の力は加速度的に落ちていきます。日本語力維持の方法を、しっかり対策しておくべきではあります。
良くないパターンは、ひとこと、「無理をする」ということです。例えば中学受験に向け、子どもに鞭を打ちすぎてしまうこと。適度な負荷は必要です。ただ、現地校での生活に負担を感じている子どもに、更に課題を増やすとはいかがなものでしょう。最悪の場合、子どもの性格が歪んでしまうこともあります。大人におびえてしまうこともあります。例えば親の期待にこたえようとするあまり、悪い点におびえてしまうこともあります。そこで止まれば軌道修正もできますが、行き過ぎてしまった場合、カンニングなどに走り、実力は全く身に付かない子どもに育ってしまうケースも事実あるのです。学ぶ姿勢。謙虚の姿勢。これらを忘れてしまう子どもも見ます。海外生活という貴重な経験で得られるものは、本来「子どもに広い視野を身につけてもらいたい」「子どもに様々な経験をしてもらいたい」ということであったはずです。
中学入試に王道はありません。さらに帰国枠という特殊条件が加わります。準備方法はご家族ごとに違います。成功談が参考にならないことも多々あります。enaでの進路面談などを利用して、我が家の方向性などを再確認してみては如何でしょうか。いま何ができていて、これから何が必要なのかを検討する手立てとして、是非、私たちを「利用」してください。
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