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「先生、これ何文字で書けばいいですか?」

2026年05月09日

「先生、これ何文字で書けばいいですか?」

記述問題を出すと、真っ先にこう聞いてくる子がいます。

聞かれたら答えます。まだ記述に慣れていない子には「8割くらいは埋めよう」と伝えます。例えば、40字以内なら32字は書こうと伝えます。せめて8割は書かないと、採点基準の必須要素を落としている可能性が高いからです。

ある程度鍛えても大丈夫そうな子には、もう少し踏み込んで伝えます。「X字以内と言われたら、X引く4字が目標」。例えば、40字以内なら36字が目標です。国語の記述問題の字数指定は、一の位が基本的にゼロか5です。だからマイナス4で、ほぼぴったりの分量になります。

ただし、これはどちらもあくまで目安の話です。

問題は、目安を聞いた途端、そこに合わせにいく子がいるということです。答えの中身を考える前に、まず字数を数え始める。足りなければ言葉を足す。「~ということだと思われる」「~と言えないわけではない」。本来なくてもいい言葉で字数を稼いたり、やけに二重否定を使って、とにかく字数に届かせようとする。

逆に、超えそうだと大事な要素まで削ります。何を残して何を削るかの基準が字数しかないので、得点に必要な要素が抜け落ちる。

どちらも、字数を合わせること自体が目的になってしまった結果です。

記述で問われているのは、本文の内容を正確に読み取り、必要な要素を過不足なくまとめる力です。それができた結果として、自然と適切な分量に収まる。8割でもX引く4でも、あくまで「ちゃんと書けていればだいたいこのくらいになるよ」という話であって、その字数に届かせることが目的ではありません。

こういう子をよく見ていると、そもそも本文から答えの根拠をつかめていないことが多い。何を書くかが自分の中にないから、せめて字数だけでも手がかりがほしい。字数の質問は、読解が止まっているサインでもあります。

授業では、目安を伝えたあとに必ず「で、何を書く?」と聞き返すようにしています。字数の前に中身。書いてみてから「ここは削れる」「ここはもう少し説明がいる」と調整する。下ごしらえのような作業に慣れていくことも、立派な記述の練習です。

字数はステーキのグラム数のようなものです。グラム数だけ合っていても、注文と違う種類のお肉が出てきたらびっくりしますよね。それと同じで、字数が埋まっていても中身がずれていれば点は来ません。まず本文を読んで、答えの中身をつかむ。字数のことは、そのあとで十分です。

山本