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「別解」は狙わない、「順不同」は切り離さない
2026年10月29日
教える側としては、生徒の目が輝く言葉を使いたくなるものです。ただ、「別解」と「順不同」は、早い段階で強調しすぎると逆効果になることがあります。理由は二つあります。
一つ目は、「別解」は模範解答をきちんと書ける人のためのものだということです。
模範解答は、出題者が「この文章をこう読んでほしい」と考えた道筋そのものです。別解とは、その道筋から少し外れても、採点上は許される範囲のことにすぎません。ところが「別解」という言葉を覚えたばかりの生徒は、許容範囲の端を通る道を選びがちです。どの道を選ぶかには人それぞれこだわりがあるでしょうが、最短距離で目的地にたどり着けない人が迂遠な道のりを常にたどろうとすると、別解を書けても時間がかかり過ぎてしまうことも気になります。すべての問題で「別解」狙いをするのは、あまり良い戦略とは思えません。たまたま結果として「別解」になるのなら全く問題ないと思いますが。
二つ目は、「順不同」が順序を考える習慣を奪うことです。
たとえば「二つ選びなさい(順不同)」とあれば、採点上、答えを並べる順番は問われません。しかし本文の中では、二つの要素にはたいてい順番があります。筆者が先に述べたことと後に述べたこと、原因と結果、前提と結論。「順不同」に安心した生徒は、一つ目に確信があると、二つ目を「残りの中でいちばんましなもの」として選びがちです。本文の流れの中で二つを位置づけていれば、二つ目も一つ目と同じ確かさで選べるはずなのですが。ばらばらに選ぶのではなく、二つをセットで選ぶ感覚を持つことが大切だと思います。そのうえで、時間がなくて記号の順に並べられなかった、という程度なら問題はないでしょう。
必ずしも「答えは一つ」ではないという感覚は、プレッシャーの軽減につながるとは思いますが、それに頼り過ぎるのも考えものです。模範解答になるべく寄せるような思考が、試験では有利です。
山本