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コメント欄から読んでいませんか?
2026年05月12日
ネットでニュースを見るとき、記事の本文より先にコメント欄を読んでいる——そういう方は少なくないと思います。大人でもそうなのですから、子どもならなおさらです。
コメント欄が悪いという話ではありません。ただ、あれを「ニュースを見ている」とカウントしてしまうと、少しまずいことが起きます。
コメント欄に並んでいるのは、誰かがその記事を読んで考えたことの要約と感想です。つまり、他人の解釈を先に読んでいることになる。そうすると、自分で記事を読んだときにはもう「まっさらな状態」ではなくなっています。先に読んだコメントの方向に引っ張られて、自分の感想なのか、誰かの意見に乗っかっているだけなのかが曖昧になる。
言い方を変えれば、乗っかれる意見がないと自分の意見を言えなくなる危険性もあります。受験の作文や記述で「あなたの考えを書きなさい」と言われたとき、試験会場にはコメント欄がありません。もっと長い目で見れば、社会に出てからも、会議で口火を切るのをいつまでも回避するわけにはいかないでしょう。「まず誰かの意見を見聞きしてから考える」が習慣になると、その癖はなかなか抜けません。
では何に気をつければいいか。難しいことではありません。たまにでいいので、コメント欄からではなく、記事の本文から順番に自力で読んでみる。見出しを見て、本文を読んで、自分で「ふうん」と思う。その「ふうん」の中身が、合っていようが的外れだろうが、自分で読んで自分で考えたという経緯があることが重要です。
どうしても不安なら、自分の感想を生成AIに聞いてみて、いわゆる炎上リスクがないかどうか確認してみてもいいでしょう。答え合わせの相手がいる時代ですから、使えるものは使えばいい。ただし順番だけは、自分が先です。
お子さんに「ニュース見た?」と聞いたとき、「見た。コメントでみんな怒ってた」と返ってきたら、少し気にかけてみてください。「記事にはなんて書いてあったの?」と一言聞き返すだけで、情報の受け取り方の順番が少しずつ変わっていきます。
山本