ブログ

ルービックキューブと群論
2026年05月14日
こんにちは。9×9×9のルービックキューブを持っていますが、怖くて崩せない飯田です。
代数学の群論は、対象の対称性(入れ替え=置換)を抽象化した数学の分野で、19世紀フランスのガロアや、ノルウェーのアーベルたちによって基礎が築かれました。彼らによって「一般5次以上の方程式が代数的に解けない」ことが「群の性質」を用いて証明されます。対称性、噛み砕いて言うと、「あることをすると同じ様になること」、「同じであること」の性質の研究が群論です。ルービックキューブを全面そろえる作業は、この群論の具体例の1つです。
3×3×3のルービックキューブをそろえるとき、完璧な1面を作って、その近くの辺(中段)をそろえて、最後に残った1面をそろえていく方法があります。調べれば解説動画が多数ある有名な方法です。最後に1面を揃えるとき、使う操作の1つとして、
・ある面の辺の3つだけを入れ替える
ものがあります。辺の3つのブロックを1,2,3とし、この操作をaとすると
a1回で 1,2,3 → 2,3,1
さらにa1回で 2,3,1 → 3,1,2
さらにa1回で 3,1,2 → 1,2,3
a3回で、元に戻ります。この操作を「元(げん)」として、a,aa,aaa=e(最初の状態)のグループを3次巡回群と呼びます。
ルービックキューブには、他にも巡回群的操作がいくつもあります。これらの操作を組み合わせて、動かしたくないブロックは変えずに、動かしたいところだけを移動して、全面をそろえていきます。
ルービックキューブはどんなにバラバラでもパターンは有限なので、ある操作を何回ももすると、操作前と同じパターンになります。つまり、どんな操作も巡回群になります。全パターンが出てくる操作がもしあれば、この操作を何回も行って全面揃えることも可能でしょう。3×3×3でパターンは43252003274489856000通り(約4000京通り)あるそうなので、現実的には途方もない時間がかかるかもしれませんが。
ちなみに、4×4×4以上でも、面と辺を揃えてしまえば、3×3×3とほぼ同様にできます。4×4×4以上では、辺を合わせる操作がキーポイントの1つになりますが、4×4×4ができれば、動かす列を増やしたりずらしたりして5×5×5以上でもいけます。あと、偶数×偶数×偶数の場合は、移動できない面がないので、最後にちょっと工夫が必要になることが多いですね。
では、失礼いたします。
enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田
反射テストなどの教材用HP
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/
勉強法などのご紹介
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/003index.html