昔働いていた会社での、数十年前の話です。
早慶の合格者を数多く輩出する校舎がありました。その校舎では宿題を極限まで課し、限界まで超えるほど勉強させ、そして徹底的に管理していました。宿題をやってこなければ本気で怒鳴りつける。まさに昭和で、当時だからこそ成り立っていた指導であり、今の時代であれば完全にアウトです。
それでも、「早慶に合格できるなら」と、その指導方針に納得した保護者や生徒が集まり、多くの合格者を送り出していました。
もちろん、第一志望に合格することは素晴らしいことですが、その校舎では指導があまりにも厳しかったため、卒業後に「先生に会いに来ました」と遊びに来る卒業生はほとんどいなかったそうです。
私はこれまで、日本の学習塾で2社、多くの校舎を見てきました。さらに、enaの海外校5校でも、さまざまな帰国生を指導してきました。
その経験から強く感じることがあります。
成績を伸ばすためには、指導力だけでは足りません。生徒が安心して勉強でき、「ここなら頑張れる」と思える環境づくりも同じくらい大切です。
もちろん、緊張感のない、のんびりしすぎた校舎では成績は伸びません。一方で、毎日叱られることにおびえながら通う校舎も、決して理想だとは思いません。
帰国生は、海外で生活し、学んできたという共通の経験があります。多くの生徒は塾に通ったことがないです。そういう環境で育ってきた子供たちにとってあまりに厳しい指導は合わないと感じています。
同じような環境で育った仲間と学ぶことで、自然と打ち解け、お互いに刺激を受けながら成長していけると確信しています。
「合格したら終わり」の校舎運営は私の考えているものではありません。
吉祥寺に来たときに、「そういえばenaに寄ってみようかな」と自然に足が向く校舎。そんな校舎でありたいです。
今日も、今年慶應義塾高校に合格した卒業生が遊びに来てくれました。2月の合格発表以来、もう何回も顔を出してくれています(笑)。
「来すぎでしょ!」と言いながらも、やはりうれしいものです。