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国語力って、何ができたら「できる」なんですか?

2026年05月08日

国語力って、何ができたら「できる」なんですか?

この質問をされることがあります。

英語なら英検何級、TOEFL何点とわかりやすい。算数にも算数検定や数学検定がある。国語にも漢字検定はありますが、他の教科と比べると客観的な指標が少ない。「うちの子、国語はどうなんだろう」と何となく不安になるのは、よくわかります。

ではその「できる」とは何か。個人的な答えを言います。

他人の主張を、7割はコンスタントに理解できる力。

これが国語力だと思っています。

満点じゃなくていい。毎回100%わかる必要はない。でも、誰かが何かを言ったとき、書いたとき、その内容をだいたい正しく受け取れること。これが安定してできるかどうかが、国語の「できる・できない」の分かれ目です。

つまり、国語力の正体は「発信力」よりも「受信力」です。

作文や面接で問われる発信力も大事ですが、筆記試験の中心は読解です。相手が何を言っているのか、なぜその順番で言っているのか、どこが要点でどこが補足なのか。それを自力で、いちいち誰かに噛み砕いてもらわなくても掴めること。日常会話レベルなら大丈夫でも、もう少し抽象的な文章になった途端に掴めなくなる。受験勉強で求められているのは、その「大丈夫な範囲」を少しずつ広げていくことです。

変に独創的な解釈は求められていません。超少数派にしかたどり着けない謎の読みなど、試験では点になりません。むしろ逆です。多くの人が読み取れることを、自分も安定して読み取れるかどうか。国語とはそういう教科です。

だから、国語の第一歩は意外なほど地味です。他人の話を、集中して、最後まで聞けること。目の前の文章を、飛ばさずに、丁寧に追えること。爪をいじらず、視線を逸らさず、相手の言葉にまっすぐ向き合う時間を持つこと。それが国語力の入口です。

この力は伸びるのに時間がかかります。でも一度身につくと縮みません。英語のスコアは使わなければ下がることもあるでしょう。算数の解法は忘れることもあるでしょう。でも「人の話を正しく受け取れる力」は、一度できるようになったら落ちない。教科の枠を超えて、その後のあらゆる場面で本人を支え続けます。

見えにくいからこそ、後回しにされやすい。でも見えにくいからこそ、一度育てた人は強い。それが国語です。

山本