帰国子女中学入試-海城中学校
2012年08月09日
A方式は帰国枠という名前がつけられてはいますが、2月に行われる一般入試の前哨戦のようなもので、『帰国枠受験らしさ』がほとんど感じられません。日本の受験生と同じことをやってきた受験生の場となっています。もともと海城中学は男子進学校ですから、そこを志望する生徒は海外に生活しようとも、それ相応の準備をしていることがうかがえます。事実、このAコースで出願する生徒の方が、Bコース出願者よりもはるかに多いのです。
所謂一般的な帰国生はBコースとなりますが、グレーゾーンにあるといわざるを得ないところがあります。算数は一般受験を考慮した勉強をしていれば問題はありませんが、一方、総合(という名の国語)には漢字や文法問題は出題されませんが、とにかく記述が出来なければ話になりません。一般に、海外にいる生徒は日本語での表現があまり上手とはいえません。特に男の子は精神年齢が低くなることが多々見られます。このため、Bコースで受験したとしても「優遇措置」という感じはあまりしません。やはり、それ相応の受験対策をしておかないと受からない学校です。直前講習でも、たとえBコースでの受験生であっても、それ相応の準備をさせ、記述の対策は念入りにしていきました。
Aコース・Bコース共通の「合格への近道」は、国語と算数の一般受験レベルの難しい内容を一生懸命勉強し、日本語の本をたくさん読むことにつきると思われます。
『帰国枠』と謳っておきながら、試験では現地校での頑張りや、英語力というものは一切考慮されなかったことに矛盾を感じたのか、2014年度からはC方式というものが追加されることとなりました。参考問題が海城中のホームページに掲載されていますから、参考に見ておいてください。この問題傾向が受験者にとって、「解きやすい」と感じるか「歯が立たない」と感じるかでしょう。試験科目は算数・総合・英語・面接です。Bコースの総合の配点を、総合/英語で2等分することになります。ホームページの参考例によると「英語は文法や、長文読解、内容把握という一般的な問題ではなく、記述のみ」となるようです。そうなると、答えに正解はなく、思考や表現力を試されるということになります。このため、現地校で「プレゼンテーション」「ディベート」「レポート提出」などを頻繁に行っている生徒には、得点しやすいかもしれません。対策としては、記述力UPです。現地校の課題だけではなく、色々な素材を使ってライティング訓練を。時事問題には注意しましょう。新聞などが読める力は、最低限必要なようです。