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数学史2「幾何学」
2026年04月28日
こんにちは。古代エジプト文明は「ナイルの賜物」と称されます。ギリシアの歴史家ヘロドトスの言葉です。飯田です。
数学史のお話をしたいと思います。
第2回は、「幾何学」です。
古代文明の遺跡・遺物から当時の幾何学について色々なことがわかっています。
エジプトのピラミッド、メソポタミアのジッグラトや粘土板、インドのモヘンジョダロ、中国の殷墟と甲骨文字などが代表的です。これらの文明を築くには建築技術、測量技術が必要でした。そこには幾何学の発展が不可欠です。
「幾何学(きかがく):geometry」とは、図形、空間、位置、形、大きさなどの性質を研究する数学の分野です。語源は古代ギリシャ語の「geometria(土地の測定)」です。「土地・地球」を意味する geo- と、「測定法」を意味する -metry が組み合わさった言葉です。これはナイル川の氾濫後に土地の境界線を引き直す必要があった古代エジプトで発展した測量術に由来します。
当時のナイル川では、毎年8月から9月の雨期に洪水が発生しました。この洪水のおかげで肥沃な土壌が運ばれてきました。洪水の発生をなるべく正確に知るために天文学も発達しました。そして、区画整理のため測量が必要になります。
測量や建築で使われる図形として有名なものは、3:4:5の直角三角形です。「エジプトひも」と呼ばれる、等間隔に結び目(12個)をつけた紐を使い、3:4:5の比率で直角三角形を作り、直角を確認しました。
また、三角形・四角形の面積の正確な求め方が知られており、円の面積は、直径の8/9を一辺とする正方形の面積として近似していました。四角錐台の体積を求める公式もあったそうです。
古代メソポタミアでも、紀元前2000年紀のバビロニアを中心に発達し、土地測量や建設、配分などの実用的な目的で幾何学が発展しました。円周率の近似値やピタゴラスの定理の理解、面積や体積の計算に優れ、代数的な手法を用いて図形問題を解いたことが粘土板の解読から知られています。
古代ギリシアの幾何学は、中東やエジプトの幾何学を集大成し、論理的推論に基づく学問へと昇華された現代数学の基礎になります。聖書に次ぐベストセラーでも有名な、ユークリッドの「原論」では、公理に基づく演繹的な図形研究が行われました。19世紀、この公理の一つを除いて新しい幾何学を創造したのがリーマンです。
また、芸術・美術分野では紀元前900〜700年頃に直線や円を多用した「幾何学様式」の陶器が流行しました。メアンダー(渦巻)、ジグザグ線、同心円など、定規やコンパスで描かれた直線・図形による装飾様式です。アテネを中心に展開し、抽象的・構築的なスタイルとして発展、後の西洋美術の基礎となりました。
では、失礼します。
enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田
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