ブログ

数学史5の1「近代数学」
2026年05月26日
こんにちは。レオンハルト・オイラーはスイスのバーゼルで生まれました。彼の父は牧師だったので、バーゼル大学で哲学・神学を勉強ました。そこで数学者ヨハン・ベルヌーイによって見出され、数学の道を歩むことになります。飯田です。
18世紀、レオンハルト・オイラーが現代的な数学表記法を確立し、変分法、微分幾何学などを創始しました。
・関数をf(x)と書く形式を作る。
・円周率π、自然対数の底であるネイピア数をe、虚数単位iなどの表記。
・三角関数のsin、cos、tanの表記。
・和の記号Σの表記。
・変分法 関数そのものを変数として、最大最小を探す手法。
・微分幾何学 曲面上の曲がり具合の研究で、曲率を定義。
・位相幾何学(トポロジー)の基礎を築く。多面体定理など。
彼の研究範囲が数学の全範囲にわたっていること、それまでの数学の集大成を果たこと、現代数学の下地を作ったことがわかるでしょう。しかも、これらは彼の業績の一部にすぎません。以前にもオイラーのことを少し書きましたが、またどこかでお話する機会を作りたいと思います。
この時代、物理・力学の発展から、ダランベールらによる流体力学・波動の研究が盛んになります。これらについてもオイラー的手法が使われました。また、ラグランジュが、ニュートン力学をエネルギーの観点から再構築します。そこでニュートンの運動方程式と同等に扱われるものが、オイラー・ラグランジュ方程式です。
微積分学・解析学の発展が、力学を高度な数学的体系で再記述していきます。
19世紀に入ると、ガウスとリーマンが、非ユークリッド幾何学、ゼータ関数、複素関数論などを発展させました。ガロアが群論の基礎を築いたのもこの時代で、代数学が劇的に変化します。
数学は高度になればなるほど、理想的な舞台での理論であって、実用性に乏しいと思われていました。大数学者ガウスも実用性を懸念して、天文学者に魅力を感じていたという話もあります。しかし、徐々に数学の実用性が顕著になっていくのが19世紀でした。
産業革命期、熱機関の効率向上という実用的ニーズから、熱力学の研究が発展し、エネルギーの概念が確立され、エネルギー保存の法則が発見されました。圧力・体積・温度など複数の変数を扱うため、微積分の応用である偏微分法が発展します。
電気と磁気が独立した現象から、相互に関連する電磁場として体系化され電磁気学がうまれ、マクスウェルが電磁場の理論を確立します。ベクトル解析によってマクスウェル方程式が電磁場の記述として使われるようになります。
線形代数の行列や行列式も、線形物理現象を表すのに使われます。フックの法則(ばねの伸び)、オームの法則(電流と電圧)、光の干渉、波の重ね合わせなどが代表例です。19世紀ハーマン・グラスマンが線形代数の抽象的な概念(ベクトル空間など)を独自に発展させ、また、行列の概念を具体化してくれたお陰でした。
19世紀後半、物理学や化学は原子・分子モデル、統計力学へと向かい、より数学的になります。ますます数学の実用性が求められます。一方で、数学はより抽象性、厳密性が求められるようになりました。19世紀の数学者コーシーは極限などの概念を厳密に定義しようと試みます。彼の著作、特に『解析教程』は、現代の数学の厳密化の始まりとして重要視されています。これらについてはまた次回お話しましょう。
では、失礼します。
enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田
反射テストなどの教材用HP
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/
勉強法などのご紹介
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/003index.html