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数学史6外伝「統計学」

2026年06月06日

こんにちは。統計データの悪用や誤用に騙されない力を身に付けたい飯田です。

今日は数学史の外伝として、統計学についてお話します。まずは統計学の歴史について見ていきましょう。

古代:国家の統治・資産把握
古代バビロニアやエジプトでは、人口や土地、税収調査が行われていました。日本でも大化の改新時に、戸籍と計帳が整備されました。戸籍は家族構成や年齢などを登録する基本台帳で、計帳はその年の年貢・労役を課すための台帳です。奈良の正倉院に「大宝二年(702年)の戸籍」が現存しており、美濃国(現・岐阜県)の「半布里(はにゅうり)」の記録などが残っているそうです。

17世紀:政治算術と統計の誕生
イギリスで、ジョン・グラントが死亡表から人口推計を行い、ウィリアム・ペティが「政治算術」を提唱。データを基に国の実態を把握する手法が確立されました。同時期、ギャンブル(サイコロ賭博)から確率論が発展しました。

19世紀:確率統計学への発展
欧州で、アドルフ・ケトレーが平均や正規分布を用いて人間の行動を分析し、「近代統計学の祖」と称されました。国家データだけでなく、科学、商業、生物学など広い分野に手法が拡大しました。

20世紀初頭:現代統計学の確立
フィッシャーが『研究者のための統計的方法』を出版し、実験計画法や標本理論を基にした「現代統計学の父」としての地位を確立しました。

現代:ビッグデータとAI
コンピューターの普及により、高速かつ膨大なデータを処理するAIやデータサイエンスの時代に入りました。データの背後にある構造を理解し、不確実な情報を推測・予測するツールとして統計学が重要視されています。また、統計学とコンピュータサイエンスの融合がAIの進化・機械学習につながっています。データサイエンティストや分析官には、確率統計、線形代数、微積分、数理最適化アルゴリズムなどの知識が求められています。

統計学は、政治・経済と相乗的に発展してきた分野です。
コンピュータとAIによりビッグデータの活用が可能になった今、統計から何を読み解き、どう我々の生活に役立てるか、考えていく必要があります。ビッグデータが、一部の人間の利益だけにつながるのではいけません。またプライバシーの問題もあります。非常に政治的な問題です。「スーパーシティ」構想や、ビッグデータの認定制度の導入などについて、もっと啓蒙と議論が必要ではないかと思います。

では、失礼します。

enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田

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