ブログ

数学史1「計数」「計算」その2
2026年04月22日
こんにちは。ギルガメシュ叙事詩は、紀元前2000年紀メソポタミアのシュメール人たちが書いた人類最古の文学作品とされる英雄叙事詩です。ノアの方舟にそっくりな洪水伝説が記されています。飯田です。
数学史第1回「計数」と「計算」の続きのお話をしたいと思います。
前回は超古代のお話でした。今日は、約5000年前から3500年前くらいのお話をしたいと思います。
文明が発展していくときに、どの文明でも、穀物・貨幣などの富の蓄積と配分がテーマになったでしょう。これは現代も同じですね。蓄積には、足し算やかけ算が役にたったでしょうし、配分には、引き算や割り算が必要です。おそらくどの文明も、人口が増えたり、経済活動が活発になるにしたがって、「計算力」が発達したはずです。
典型的な例として、メソポタミア文明をあげましょう。
中東のメソポタミア文明では、残されている遺物から、「計数」「計算」がどのように進歩したかわかっています。
楔形文字が生まれる前、小石や貝殻、粘土のトークンで数を表し、それを封泥に入れて取引(計数)をしていました。「羊」「穀物」などに図形・記号を1つずつ対応させ管理した痕跡も残されています。
その後、粘土板に溝を掘り、小石を置いて計算を行う、現代のそろばんの原形のような道具「計数板(アバカス)」が使われたり、かけ算やわり算は、あらかじめ計算された「数表(積表など)」を見て確認する方法も使われたそうです。
メソポタミア文明の初期から中期を担ったシュメール人たちは、楔形文字を洗練させていきました。資料は少ないですが、彼らが60進法を使用していたことがわかっていて、これは現代の時間や角度などで用いられる単位の元になりました。
また、数字の位置によって桁が変わる概念(例:10と100)を用いて、計算を容易にしたそうです。これは位取り記数法の先駆けと言われ、のちにインドで完成した10進位取り記数法につながります。
時代はくだって、紀元前1750年ごろバビロニアのハンムラビ王がメソポタミアを統一し、有名なハンムラビ法典を制定しました。シュメール時代の知識がバビロニアに引き継がれまました。60進法と位取り記数法により計算が容易になり、分数計算も簡便になりました。逆数、平方、立方、乗法などの数表も用いました。言語を用いる修辞的な代数を確立し、1次方程式、2次方程式、連立方程式、平方根(ルート2の近似値など)の計算など、代数学を発展させました。また、利子計算、運河の土木に関する計算など、極めて実用的な数学も構築されていきました。三平方の定理(ピタゴラスの定理)を、ピタゴラスより1000年以上前に理解していたことも知られています。
次回の数学史第2回は、最後に少しふれた幾何学の発展と建築技術の進歩についてお話したいと思います。
では、失礼します。
enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田
反射テストなどの教材用HP
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/
勉強法などのご紹介
http://www.enjoymath.sakura.ne.jp/003index.html