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数学史3「代数学」

2026年05月16日

こんにちは。アルゴリズムはもともと計算手順を意味し、アル=フワーリズミー著書の冒頭「フワーリズミーいわく」に由来するそうです。飯田です。

今日はシルクロードと代数学の関わりを紹介します。

アケメネス朝ペルシア帝国の古代オリエント統一と、その後のアレクサンドロス大王のアジア遠征によって、ユーラシア大陸の東西の交流が盛んになります。中心的な役割を担ったのがシルクロードです。
シルクロード(絹の道)は、紀元前2世紀から15世紀頃にかけて中国の長安(現在の西安)と地中海沿岸のローマを結びました。オアシス路、草原の道、海の路の3つが主流であり、絹、宝石、宗教、文化が往来した歴史的要路です。東洋と西洋の交流を1000年以上も担いました。
中国からは絹、紙、火薬などが西方へ、インド・東南アジアからは香辛料が西方へ輸出され、ヨーロッパではとても貴重なものとして扱われます。交易だけでなく、仏教や、キリスト教ネストリウス派(景教)、イスラム教などの宗教も交流しました。

8世紀から13世紀ごろ、交易中継路の中東イスラム世界は、東のインド・中国と西のギリシャ・ローマの知識を融合させ、数学・科学・天文学の分野で世界をリードしました。外伝でお話した、「0」を用いた10進位取りによる計算法がその一例です。
インド数字を用いた計算方法を解説し、のちにヨーロッパへ10進法や0の概念を伝える架け橋を果たした偉大な数学者が、中央アジアのホラズムで780年に生まれました。数学者アル=フワーリズミー(アル・ホレズミ)です。彼は、代数学の基礎を築きました。著書『移項と消約による計算の書』(この題名が代数学「Algebra(アルジェブラ)」の語源)で、方程式を解くための体系的な方法の提示を行いました。また、別の著書「インドの数の計算法」では、インド数学の記数法を扱った最古のアラビア語文献で、四則演算、代数方程式の解法、2次方程式、幾何学、三角法、数の10進法表記で 「0」を空いている桁に使用することなどが書かれていました。のちに、ラテン語の翻訳本は通称『アルゴリトミ』と呼ばれ、500年にわたってヨーロッパ各国の大学で数学の主要な教科書になります。
アルジェブラ、アルコール、アルカリ、アルゴリズムなどの「アル」はアラビア語の定冠詞です。現代の学術用語に見られる「アル」は、この時代のイスラム文化の貢献度の高さを表しています。
シルクロードは、15世紀、オスマン帝国の東地中海支配により、陸上貿易ルートの収益が低下し、ヨーロッパ諸国は大航海時代へと向かうことになります。数学の舞台がヨーロッパに移ります。
次回の数学史4では、ルネッサンス・大航海時代から近世資本主義の発展における数学の関わりについてお話したいと思います。

では、失礼します。

enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田

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