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数学史4の2「指数・対数」と「微積分」

2026年05月22日

こんにちは。人間の感覚は、物理的な刺激の強さに単純比例するのではなく、刺激の強さの対数(log)に比例して変化するという「ウェーバー・フェヒナーの法則」が知られています。飯田です。
対数的に扱われる単位として、星の明るさを表す等級、地震の規模であるマグニチュードなどがあります。音の大きさデシベルも、物理的な音のエネルギーが10倍になるごとに、10dB増えるという対数尺度です。

さて、今日は大航海時代を舞台にして、指数・対数、微積分などについてお話したいと思います。

1000年以上連綿と続いていた東ローマ帝国、その首都コンスタンチノープルが、1453年オスマントルコ帝国メフメト2世によって陥落します。この後、オスマントルコ帝国が東地中海を支配し、シルクロードも廃れていきます。ヨーロッパ各国は香辛料などを求めるため、世界の海に飛び出していきます。大航海時代の幕開けです。
航海に必要なものは技術と資金でした。羅針盤と天文学、スポンサーと利子計算。ルネッサンスの時代に育まれた数学・科学がこれらに貢献します。三角関数は航海士が星の位置を計算するために使われました。
また、新しい数学がうまれます。「対数」です。2の3乗は8、2の4乗は16、などの指数の計算はそれまでも使われていました。この「指数」計算の逆算である「対数」計算法を発明し、使いやすい記号で表すことによって、数学が発展していきます。
「対数」を発明したのは、スコットランドのジョン・ネイピアです。複雑な掛け算を足し算に、割り算を引き算に変換する手法でした。天文学者の計算時間を大幅に短縮し、命を救ったとも言われています。また、資本主義の芽が生まれていたヨーロッパの銀行業や高利貸し業などで、利子の計算が必要になり、「対数」が非常に役立ちました。17世紀ロンドンのコーヒーハウスで、海運保険の元祖「ロイズ」が誕生したのも大航海時代です。
18世紀には、ヤコブ・ベルヌーイらによって「連続複利」の計算から自然対数のネイピア数が見出され、解析学の根本定数となります。また、時を同じくして、物理学・科学からの要請で、ニュートンやライプニッツが微積分を発明しました。指数関数、自然対数関数が生まれ、微積分と結びつき、解析学が数学界に確固たる地位を築きます。
この後、微分が自分自身になるという特性を持つネイピア数の指数関数は、成長や変動を表す最強の道具として発展していきます。惑星の動き、人口増加、物理現象の分析に微積分が貢献し、自然対数が必須となりました。現代の情報社会では、指数・対数はアルゴリズムの計算量や成長予測に使用され、現代の計算機科学を支えています。

では、失礼します。

enaあざみ野校校長・算数数学担当 飯田

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